キチっているよね

パソコンで書いたキチった話です

弾幕STG

やあ久しぶり。私だ。最近はその他カテゴリーの記事ばっかりですまない。私の日常もそんなに面白いことだらけではないのだ。許してくれ。ちなみにその他の記事は私の愉快な仲間たちが書いている。フィクションかどうかは分からん。

 

最近家の近くに「ラリアット堂」というややボロいゲーム屋を見つけた。ゲーム屋といってもCDや同人誌なんかもたくさん売っている。買取サービスもやっているようで商品のほとんどは中古品だ。そういえば前に乾燥剤がパソコンでゲームしたいと言っていた。そこで買ってきたのがこの「烈火の果てに」というPC専用の弾幕シューティングゲームだ。なぜこのゲームにしたかというと、ラリアット堂で一番安く売られていたからである。うちの家計はそんなに豊かじゃないから、お高いゲームは買えないのだ。乾燥剤には悪いがテストプレイも兼ねて私が先にやらせてもらう。ちょっと興味あるし買ったのは私なのだ。実は私は弾幕STGは初めてなのである。東方Project虫姫さまやXTYPE+といったゲームのプレイ動画なら見たことがあるが、実際にプレイするのは初めてだ。

 フォルダに入っていたテキストにあらすじが書いてあった。「このゲームは、魔法学を専攻する者(魔法学者)の西園紗矢(にしぞのさや)が主人公です。彼女は正統派という魔法学の中心的な派閥に属しています。対立する派閥の雲城派(うんじょうは)が最近嫌がらせ活動を活発化させてきたので、彼女は雲城派のアジトを襲撃しに行くことになりました。」考え方の違いが生んだ争いである。魔法学者ってのは学者というからには魔法の使用よりも研究に重点を置いているのだろうか。魔法学という学問がどんなものかも気になる。操作方法やゲームシステムなどを一通り確認して早速プレイした。ゲームを立ち上げるとフルスクリーンになり、タイトル画面がディスプレイいっぱいに広がった。それと同時にノリの良い西洋風の音楽もかかる。PLAYを押すと難易度選択画面に移る。簡単から激ムズまで4段階あるようだが、私は初心者なので簡単を選んだ。ステージ1。始まった。最初はモンスターや妖精といった雑魚敵が出てきた。なるべく最小限の動きで弾を避けつつ片付ける。途中何度か危ない場面があったが、ノーミスで1面ボスまで来た。いよいよボス戦である。画面にキャラの立ち絵と名前、セリフ枠が表示された。こいつがボスか。

 

夜型人間 佐藤久美子「はぁ...。しかしやはり、魔法学者は全人格的な思考の元、自己の実存的な位相を意識し確立するする必要があるなあ。」

 

西園紗矢「しかし、閉鎖的な世界での自身の純化・深化は時に他の文化や思想を顧みない意識へと変動させてしまう。」

 

何言ってんだこいつら。私はいきなり会話についていけなかった。学者の会話とはこういうものなのか?

 

佐藤久美子「確かにそうだが、その方がその世界で成功しやすいのもまた事実。自身の意識と乖離した古典的規範との、言わば裂け目を享受すれば、魔法学者としての欠如を覚えることもあるがバランスの取れた成熟さに出会うだろう。」

 

西園紗矢「我々の感覚が、常に事象に対する定型的な乾いた反応しか示さないのは、一種の人間的感性の欠落と言えるか。」

 

そして戦闘が始まった。弾幕はいたって普通のものだった。2回被弾してしまった。ボスを倒すと一旦スコア画面が表示され、2面に突入した。端から飛んでくる生ごみにちょいちょいひやっとさせられた。やがて2面ボスである。

 

朝型人間 高橋愛「意識への介達は、損上されたそれ以上利分できない甲譚の中で、いかなる洗練も抗除しない。違うか?」

 

西園紗矢「ああ?何だオメー。まさか雲城派のやつか?変な用語を使うな。私は正統派なんだ。」

 

高橋愛「おお、これは失敬。腐った旧体制の使者は、私が処分してやる。」

 

西園紗矢「やれるもんならなってみろ。」

 

ま、まあ、雲城派の用語はわかんなくてもいいのかな。この戦闘で3回被弾した。中々弾が多くて少し難しかった。

 そして3面。なぜか迫撃砲弾がひっきりなしに降ってくる。できればボス戦まで残機は失いたくない。必死に頑張り、奇跡的にノーミスでボスまで到達した。

 

アジトの警備員 鈴木美穂「完成され干渉を受けない隔絶した意識であっても、有意識の世界では降り注ぐ苛烈な意識に捕らえられ、自己を維持できない。」

 

西園紗矢「正確には、苛烈な意識に囲まれ流動的で情意的な思考は自我の保持、または意識の統一から解放され自身の喪失を招く、だがな。」

 

鈴木美穂「あら、詳しいのね。でも私にはかなわないわ。」

 

遂にアジトに付いたのか。だからあんなに砲撃されたのだな。しっかし会話が難しい。敵の弾幕は速く、2回目の被弾でなんとゲームオーバーした。コンティニュー選択画面が表示された。悔しいが初プレイだし、何度コンティニューしても最後まで行こうと決めた。

 そして4面に入った。4面は少し長く、なかなか疲れる面だった。途中警備部隊の奴らに囲まれて1回被弾してしまった。なんやかんやでボス戦である。

 

教室の端っこにいるような奴 田中景子「意識による排撃と無意識の排他的傾向は、どちらが魔法学的に有利かしら。」

 

西園紗矢「どっちも精神と自我の意思が外界との関係から絶たれる、あるいは関係が希薄化する可能性がある。それよりかは統一的かつ流動的な自己意識の固定か魔法工学の勉強の方がいいぜ。」

 

田中景子「あら、そういう貴方は魔法工学の勉強から逃げてきたクチなんでしょ。」

 

西園紗矢「へへっ、ばれたか。」

 

そういうことだ。こいつの弾幕は縦に横に移動して、結構惑わされる。このトリッキーな弾幕に翻弄されつつ戦っているときにボムの存在を思い出した。初心者あるあるらしいが今まで抱え落ちしまくっていたのだ。2発使いなんとか倒した。

 いよいよ5面、ラスボスも近くなってきた。それと共に敵の中心に近づいている。敵の抵抗は一層激しさを増し、道中でボムも使った。激戦の後、遂にボスと対面だ。

 

孤高の天才 伊藤由紀「自分の力を最大限引き出す唯一無二の体系、魔法学において黒本の禁忌術すら超えるのは、結局意思と意識によるあらゆる行為との調和。それは決して静かなものではないが、全てを手に入れることよりは容易い。必ずしも、常識と前例だけでは成立しない運動を操るには、自己の分裂と統一すら重要なの。」

 

西園紗矢「天才の言うことはちょっとよく分からないな。」

 

私もよくわからない。

 

伊藤由紀「貴方もいずれ、魔法の中に己の姿と体感を見出したらわかるわ。単に一心同体なのではなく、理解も管理も完全でない関係であるのに自己意識の中に収めるのは、時間がかかるものよ。」

 

西園紗矢「ああ、はい。」

 

全く興味なさそうだな。でも分からないんだし仕方あるまい。ボスの弾幕は密度も速度もやばい。孤高の天才は強いぞ。画面と顔面の距離がだんだん近づいてきた。そして2度目のコンティニューを経てやっと倒した。うはーキツい。

 しばらく休憩した後、6面に入った。いよいよラスボスへ向かう。敵は死に物狂いで抵抗しているようで、生ごみや手榴弾はもちろん、多数のトラップや奇襲を受けた。こちらもボムで応戦し、敵も弾幕も爆発している。画面の中が込み合って操作の判断に支障が出るくらいだ。そうこうしているうちにボスまで辿り着いた。こいつが雲城派のトップか。

 

通行人Aの頂点 近藤澄佳「ええーと、私あんまり魔法学には興味ないのよね。それよか支配よ。苦悶と悲痛の中にこそ、私は惹かれるの。って同級生に言ったら、みんな『何言ってんのか訳わからん』だって。笑いもできない。私ったらどうしましょ。」

 

西園紗矢「うーん、魔法工学の道に進んだらどうだ?」

 

近藤澄佳「私理系じゃないの。」

 

西園紗矢「じゃあもう戦うしかないわね。」

 

近藤澄佳「そのようね。」

 

今更だがこいつらの肩書き何なんだ。雲城派のトップは通行人Aの頂点なのか?ともかくラスボス戦なのだ。心してかかろう。敵の攻撃は今までの総合という感じで、実に多彩な弾幕を展開してくる。弾速こそ早くないが、濃密でうかうかしていると追い詰められてしまう。自機の少し上を見て先のことを考えつつ動かなければ。でも自機のあたりをよく見ないと被弾してしまう。画面いっぱいに敵弾が満ちるとだんだん目が混乱してきそうだ。時々爆発物や大玉も飛んできて厄介である。もはや危ないと判断してからボムるのでは遅い。危なそうな時点でボムった方がいい。どの道ラスボスなんだしケチる必要もない。何だか似たようなことを前に教わったような気がした。私は画面に食らいつき必死に戦った。そして激戦はついに終わった。た、倒した。残機は残り1つ、コンティニュー寸前であった。私は背もたれに体をあずけ、ふーっと宙に疲れを吹き出した。どっと疲れと歓喜に包まれた。会話の後、間もなくしてエンディングが始まった。いやーようやくクリアだ。結構面白かったなー。エンディングが終わるとスタッフロールが始まり、今までのキャラや開発者の名前が流れた。このゲームは2人で作ったようだ。同人ゲームならそれぐらいか。でもクオリティは高かったように思う。

 というわけで、乾燥剤にゲームを渡した。彼は難易度普通でプレイした。私は彼のプレイを観戦した。するとめちゃくちゃ上手いのである。びっくりした。

「や、やべえなお前。」

「ああ、弾幕ゲーなら結構やってたんですよ。このゲーム会話がいいですねぇ。」

そして3度の被弾で6面をクリアした。当然スコアもタイムも私より上である。何だかあの喜びは何だったのかという感じだ。いやいや彼は彼、私は私だ。私のクリアは私にとっては価値あるものだ。上には上がいるものだし、私は初心者なのだし。すると6面の次の面が始まった。どうやらこのゲーム、ノーコンティニューで6面までクリアすると隠し面であるGステージが遊べるらしい。Gステージはボムの使用不可である。道中の敵は数こそ6面より少ないが、敵一体が撃つ弾の量が多く6面より難しそうだ。そしてGステージのボスが現れた。

 

過去に封印された経験がある 河原真里「フハハハッハアッハハハ!君ィ、私が誰だかわかるかぁ!?」

 

西園紗矢「いや、知らないです。」

 

河原真里「我らが術式、聖導典第二鍵により君臨した魔道三剣士の末裔だ。悪しき次代の邪王の天下、我の「真なる力」は解放さる。邪王真術の、黒き魔力が高ぶる時こそ、この身は心良きなれ!!!」

 

西園紗矢「お、おう。そうか。」

 

ヤバい奴だ。紗矢もちょっと引いてるぞ。

 

河原真里「青血の炎龍と黒竜江省の張氏より授かりし、闇の秘術「狂仙峯珠義血符」この黒術と死の剣舞に戦慄せよ!!」

 

そして戦いは始まった。トリッキーで素早い弾幕だ。見ているこっちもハラハラするような動き。かなり難しそうだ。乾燥剤も2度被弾して倒した。だが初見の割には上手いプレイだったと思う。戦闘が終わると再び会話が始まった。

 

河原真里「な、なぜだ!?真眼が効かない...?歪みの時空に喚起されたが、クソッ!逃げられたか!!いや黒炎の光龍も共鳴している。まだだ、今に冥府の高塔の番人がnぐあぁ!!!うっ、うおおえええ、ぐっくふ...」

 

西園紗矢「一発だけで勘弁してやる、去れ。」

 

多分腹でも殴った。

 

河原真里「くそっ、覚えてろー!!」

 

そうしてエンディングを迎えた。私が見たのとは違うものだった。スタッフロールにも河原真理が追加されていた。

「このゲームって続編とかあります?」

「うーん、調べてみる。」