キチっているよね

パソコンで書いたキチった話です

ダンツィヒからの手紙

親愛なる友へ
水道の蛇口、ちゃんと閉めてますか?ダンツィヒは現在、世界革命軍の包囲下にあります。間もなく政府軍がやってきて解囲してくれるそうです。という手紙を先月送ったのですが、政府軍はまだ来ません。ダンツィヒはラジオも革命軍に乗っ取られ、外の情報が満足に入ってきません。秘密の下水ルートもいつ断たれるか、という状況です。一週間前には、政府軍はまだベルリンにいるという情報が流れましたが、おとといはポズナン南郊にいると噂され、今日はプラハだと聞きました。おそらくどれも本当でないでしょう。情報が錯綜していて、こんな話がたくさん出ています。食料のほうは下水ルートで何とか凌いでいます。でもドレスデンの食料部によると、どんどん厳しくなっているそうです。ヨーロッパもほとんど焼け野原になってしまったので、上手く作物が育たないのは仕方がないですが、なんとか辛抱します。

 アフィックでの活動はどうですか。最近は匪賊の戦力も増しているようなので気を付けてください。応援しています。こちらは毎日防壁修理に精を出しています。そのせいで最近はヘトヘトです。それでも、すっかり小さくなったとはいえダンツィヒが大好きなので絶対に守り通すつもりです。お互い離れていますが頑張りましょう。僕は早くそちらと都市同盟が結ばれると良いのになと、つくづく考えています。それでは、マリーさんとトンさんにもよろしく。また会える日を待っています。

 

※この手紙を300人に回さないと棒になります。
東京都○○区××1丁目 闇之手紙人より

 

ヒヒヒ。
翌日僕の所に手紙が回ってきた。死ねカスとか書かれてた。

高架橋はどうだ?

場所はとある海沿いの中都市(中核市)。市街中心部からは少し離れた所だ。

最初のうちは、重大事件や衝撃映像を扱う番組風に話が進んだ。ナレーションが何かを喋っていて、僕は高架道路下の建物の一階にいた。入口に近く、ガラス張りになっていて外の景色がよく見える場所だ。ふと見ると外に置いてあった荷物を大きなクレーンが釣り上げ運ぼうとしていた。荷物とクレーンは太く白い紐でつながっている。すると、会社側(操縦者)のミスで荷物が大きく揺れてしまい、建物のガラスに五回もぶつかり、ガラスは五か所とも大きく破損した。番組の出演者の「ああ~~~~」という声と、右上のワイプの嘆くような顔。そこに一人の若い女性が通りがかり、「大丈夫ですか?」と言いクレーンのひもを触った。突然クレーンの紐が荷物を離れ、女性は紐をつかんだまま持ち上がっていった。悲鳴を上げる女性。僕は建物の外に出た。ところがすぐに女性は飛び降りて無事だった。女性が降りられなくなるとかいう、ありきたりな展開だと思いました?とナレーションが言った。しかしクレーンは上がっていった。高架下にいるため、高架道路の底の部分にカーテンのように溝が走っているのが見えたのだが、その溝にクレーン先端の滑車が紐とともに吸い込まれていった。やがて滑車だけがはまって、溝を伝って動き始めた。ここらへんで番組の感じは終わった。僕は滑車を追って走り、途中でなぜか知らない女の子(年下)もついてきた。彼女も滑車を追っているのだ。その後滑車は、高架に上がる道がある建物に入っていった。この建物の説明は難しい。高架下にトンネルのように大きな空間が作られていて、アスファルトの坂道やエスカレーターがあり、隣接するデパートとの小さい出入り口もついている(デパート自体は高架下にはない)。この建物は多分、別の所に続く通路のようなものだろう。本当に高架に登れるのかはわからない。滑車はどういうわけか、溝を伝いエスカレーターの手すりを伝いだした。この時点で、前に同じような夢を見たような感覚にとらわれた。これが既視感か。本当に見たのかは不明だが、夢と同じような話の流れだったので、この後の展開も分かった。滑車は下りのエスカレーターの手すりを伝い、手すりが下に流れていく部分(降りるところ)まで来たら滑車は手すりに吸い込まれて、ガリッと大きな音を出して消えた。夢では、このまま滑車が見えないところを通って奥まで入り込み、それが原因で大爆発を起こした。高架は地面にぐしゃっと倒れ、大勢の死者が出た凄惨な事故として報じられた。

 僕は女の子と一緒に坂道を登って、すでに見えない滑車を追っていたが、僕は何も言わずにもと来た道を走って外へ出た。なぜ女の子に何も言わず逃げたのかは不明。そのまま建物の出入口まで来て、中を眺めた。黒い空間にライトの光が浮かんでいた。入口ではなぜか早くも騒ぎになっていた。と言っても人通りが多い所ではないので、そこにいたのは5人くらいだ。通路の中にいた人は、こちらとは反対の出入口へ走り、ある男性はデパートの出入り口から出てきた女性客2人をデパートの中に押し返した(夢ではデパート内の被害はなかった)。出入口付近で足が悪そうな中年女性がもたもた逃げていたので、別の男性がそれを助けて外に連れ出した。とにかく高架下の空間から人が避難していった。やがてシャッターが降りて、高架下に入れなくなった。女の子もとっくに逃げただろうと思う。それぐらい皆慌てて逃げていた。夢ではこの後高架が落ちるのが見たくて付近をうろうろした。だがよく見える場所がなくシャッターのところへ戻った。そして地震のような揺れの後、シャッターが開いて瓦礫の山が見えたのである。

 今回こそはよく見たいと思い、付近を見渡したら、少し離れた所に高架と同じくらいの高さの小山があり、道も通っているのが見えたのでそこへ行こうとした。すると家族に呼ばれ、車に乗るように言われた。ラーメン食べに行くぞーと言っていた。ここで僕は、離れた所から親戚の家に家族で遊びに来ていたという状況を思い出した。家族は現場付近にいなかったため騒ぎを知らない。僕は車のドアを開けると名残惜しそうに高架の方を見た。不意に揺れが起きた。「おっ」と思ったのもつかの間、小山から少し離れた所にある大きな山々から、灰色の岩が噴き出した。噴火したのだ。あまりに現実的ではない噴火だったが。辺りに小さな岩の粒が降ってきた。これは車に入らないと危険だ。しかし車に入ると高架の爆発を間近で見られない。迷っていると岩の破片の粉が降ってきて僕にかかった。仕方なく車に入り、ラーメン屋に向かうことにした。家族に「あの小山気になる」とか言って小山まで行こうと考えていたが、それも無理そうだ。そして車は高架を離れていく。車の窓を開けて見ていたが、爆発はまだ起きない。そこで僕は気付いた。対策が取られたのだと。つまり滑車がエスカレーターの手すりに巻き込まれても、その後爆発しないように改善されていたということだ。僕は納得し、なーんだと思い窓を閉めて町並みを眺めていた。結局爆発は起きなかった。

弾幕STG

やあ久しぶり。私だ。最近はその他カテゴリーの記事ばっかりですまない。私の日常もそんなに面白いことだらけではないのだ。許してくれ。ちなみにその他の記事は私の愉快な仲間たちが書いている。フィクションかどうかは分からん。

 

最近家の近くに「ラリアット堂」というややボロいゲーム屋を見つけた。ゲーム屋といってもCDや同人誌なんかもたくさん売っている。買取サービスもやっているようで商品のほとんどは中古品だ。そういえば前に乾燥剤がパソコンでゲームしたいと言っていた。そこで買ってきたのがこの「烈火の果てに」というPC専用の弾幕シューティングゲームだ。なぜこのゲームにしたかというと、ラリアット堂で一番安く売られていたからである。うちの家計はそんなに豊かじゃないから、お高いゲームは買えないのだ。乾燥剤には悪いがテストプレイも兼ねて私が先にやらせてもらう。ちょっと興味あるし買ったのは私なのだ。実は私は弾幕STGは初めてなのである。東方Project虫姫さまやXTYPE+といったゲームのプレイ動画なら見たことがあるが、実際にプレイするのは初めてだ。

 フォルダに入っていたテキストにあらすじが書いてあった。「このゲームは、魔法学を専攻する者(魔法学者)の西園紗矢(にしぞのさや)が主人公です。彼女は正統派という魔法学の中心的な派閥に属しています。対立する派閥の雲城派(うんじょうは)が最近嫌がらせ活動を活発化させてきたので、彼女は雲城派のアジトを襲撃しに行くことになりました。」考え方の違いが生んだ争いである。魔法学者ってのは学者というからには魔法の使用よりも研究に重点を置いているのだろうか。魔法学という学問がどんなものかも気になる。操作方法やゲームシステムなどを一通り確認して早速プレイした。ゲームを立ち上げるとフルスクリーンになり、タイトル画面がディスプレイいっぱいに広がった。それと同時にノリの良い西洋風の音楽もかかる。PLAYを押すと難易度選択画面に移る。簡単から激ムズまで4段階あるようだが、私は初心者なので簡単を選んだ。ステージ1。始まった。最初はモンスターや妖精といった雑魚敵が出てきた。なるべく最小限の動きで弾を避けつつ片付ける。途中何度か危ない場面があったが、ノーミスで1面ボスまで来た。いよいよボス戦である。画面にキャラの立ち絵と名前、セリフ枠が表示された。こいつがボスか。

 

夜型人間 佐藤久美子「はぁ...。しかしやはり、魔法学者は全人格的な思考の元、自己の実存的な位相を意識し確立するする必要があるなあ。」

 

西園紗矢「しかし、閉鎖的な世界での自身の純化・深化は時に他の文化や思想を顧みない意識へと変動させてしまう。」

 

何言ってんだこいつら。私はいきなり会話についていけなかった。学者の会話とはこういうものなのか?

 

佐藤久美子「確かにそうだが、その方がその世界で成功しやすいのもまた事実。自身の意識と乖離した古典的規範との、言わば裂け目を享受すれば、魔法学者としての欠如を覚えることもあるがバランスの取れた成熟さに出会うだろう。」

 

西園紗矢「我々の感覚が、常に事象に対する定型的な乾いた反応しか示さないのは、一種の人間的感性の欠落と言えるか。」

 

そして戦闘が始まった。弾幕はいたって普通のものだった。2回被弾してしまった。ボスを倒すと一旦スコア画面が表示され、2面に突入した。端から飛んでくる生ごみにちょいちょいひやっとさせられた。やがて2面ボスである。

 

朝型人間 高橋愛「意識への介達は、損上されたそれ以上利分できない甲譚の中で、いかなる洗練も抗除しない。違うか?」

 

西園紗矢「ああ?何だオメー。まさか雲城派のやつか?変な用語を使うな。私は正統派なんだ。」

 

高橋愛「おお、これは失敬。腐った旧体制の使者は、私が処分してやる。」

 

西園紗矢「やれるもんならなってみろ。」

 

ま、まあ、雲城派の用語はわかんなくてもいいのかな。この戦闘で3回被弾した。中々弾が多くて少し難しかった。

 そして3面。なぜか迫撃砲弾がひっきりなしに降ってくる。できればボス戦まで残機は失いたくない。必死に頑張り、奇跡的にノーミスでボスまで到達した。

 

アジトの警備員 鈴木美穂「完成され干渉を受けない隔絶した意識であっても、有意識の世界では降り注ぐ苛烈な意識に捕らえられ、自己を維持できない。」

 

西園紗矢「正確には、苛烈な意識に囲まれ流動的で情意的な思考は自我の保持、または意識の統一から解放され自身の喪失を招く、だがな。」

 

鈴木美穂「あら、詳しいのね。でも私にはかなわないわ。」

 

遂にアジトに付いたのか。だからあんなに砲撃されたのだな。しっかし会話が難しい。敵の弾幕は速く、2回目の被弾でなんとゲームオーバーした。コンティニュー選択画面が表示された。悔しいが初プレイだし、何度コンティニューしても最後まで行こうと決めた。

 そして4面に入った。4面は少し長く、なかなか疲れる面だった。途中警備部隊の奴らに囲まれて1回被弾してしまった。なんやかんやでボス戦である。

 

教室の端っこにいるような奴 田中景子「意識による排撃と無意識の排他的傾向は、どちらが魔法学的に有利かしら。」

 

西園紗矢「どっちも精神と自我の意思が外界との関係から絶たれる、あるいは関係が希薄化する可能性がある。それよりかは統一的かつ流動的な自己意識の固定か魔法工学の勉強の方がいいぜ。」

 

田中景子「あら、そういう貴方は魔法工学の勉強から逃げてきたクチなんでしょ。」

 

西園紗矢「へへっ、ばれたか。」

 

そういうことだ。こいつの弾幕は縦に横に移動して、結構惑わされる。このトリッキーな弾幕に翻弄されつつ戦っているときにボムの存在を思い出した。初心者あるあるらしいが今まで抱え落ちしまくっていたのだ。2発使いなんとか倒した。

 いよいよ5面、ラスボスも近くなってきた。それと共に敵の中心に近づいている。敵の抵抗は一層激しさを増し、道中でボムも使った。激戦の後、遂にボスと対面だ。

 

孤高の天才 伊藤由紀「自分の力を最大限引き出す唯一無二の体系、魔法学において黒本の禁忌術すら超えるのは、結局意思と意識によるあらゆる行為との調和。それは決して静かなものではないが、全てを手に入れることよりは容易い。必ずしも、常識と前例だけでは成立しない運動を操るには、自己の分裂と統一すら重要なの。」

 

西園紗矢「天才の言うことはちょっとよく分からないな。」

 

私もよくわからない。

 

伊藤由紀「貴方もいずれ、魔法の中に己の姿と体感を見出したらわかるわ。単に一心同体なのではなく、理解も管理も完全でない関係であるのに自己意識の中に収めるのは、時間がかかるものよ。」

 

西園紗矢「ああ、はい。」

 

全く興味なさそうだな。でも分からないんだし仕方あるまい。ボスの弾幕は密度も速度もやばい。孤高の天才は強いぞ。画面と顔面の距離がだんだん近づいてきた。そして2度目のコンティニューを経てやっと倒した。うはーキツい。

 しばらく休憩した後、6面に入った。いよいよラスボスへ向かう。敵は死に物狂いで抵抗しているようで、生ごみや手榴弾はもちろん、多数のトラップや奇襲を受けた。こちらもボムで応戦し、敵も弾幕も爆発している。画面の中が込み合って操作の判断に支障が出るくらいだ。そうこうしているうちにボスまで辿り着いた。こいつが雲城派のトップか。

 

通行人Aの頂点 近藤澄佳「ええーと、私あんまり魔法学には興味ないのよね。それよか支配よ。苦悶と悲痛の中にこそ、私は惹かれるの。って同級生に言ったら、みんな『何言ってんのか訳わからん』だって。笑いもできない。私ったらどうしましょ。」

 

西園紗矢「うーん、魔法工学の道に進んだらどうだ?」

 

近藤澄佳「私理系じゃないの。」

 

西園紗矢「じゃあもう戦うしかないわね。」

 

近藤澄佳「そのようね。」

 

今更だがこいつらの肩書き何なんだ。雲城派のトップは通行人Aの頂点なのか?ともかくラスボス戦なのだ。心してかかろう。敵の攻撃は今までの総合という感じで、実に多彩な弾幕を展開してくる。弾速こそ早くないが、濃密でうかうかしていると追い詰められてしまう。自機の少し上を見て先のことを考えつつ動かなければ。でも自機のあたりをよく見ないと被弾してしまう。画面いっぱいに敵弾が満ちるとだんだん目が混乱してきそうだ。時々爆発物や大玉も飛んできて厄介である。もはや危ないと判断してからボムるのでは遅い。危なそうな時点でボムった方がいい。どの道ラスボスなんだしケチる必要もない。何だか似たようなことを前に教わったような気がした。私は画面に食らいつき必死に戦った。そして激戦はついに終わった。た、倒した。残機は残り1つ、コンティニュー寸前であった。私は背もたれに体をあずけ、ふーっと宙に疲れを吹き出した。どっと疲れと歓喜に包まれた。会話の後、間もなくしてエンディングが始まった。いやーようやくクリアだ。結構面白かったなー。エンディングが終わるとスタッフロールが始まり、今までのキャラや開発者の名前が流れた。このゲームは2人で作ったようだ。同人ゲームならそれぐらいか。でもクオリティは高かったように思う。

 というわけで、乾燥剤にゲームを渡した。彼は難易度普通でプレイした。私は彼のプレイを観戦した。するとめちゃくちゃ上手いのである。びっくりした。

「や、やべえなお前。」

「ああ、弾幕ゲーなら結構やってたんですよ。このゲーム会話がいいですねぇ。」

そして3度の被弾で6面をクリアした。当然スコアもタイムも私より上である。何だかあの喜びは何だったのかという感じだ。いやいや彼は彼、私は私だ。私のクリアは私にとっては価値あるものだ。上には上がいるものだし、私は初心者なのだし。すると6面の次の面が始まった。どうやらこのゲーム、ノーコンティニューで6面までクリアすると隠し面であるGステージが遊べるらしい。Gステージはボムの使用不可である。道中の敵は数こそ6面より少ないが、敵一体が撃つ弾の量が多く6面より難しそうだ。そしてGステージのボスが現れた。

 

過去に封印された経験がある 河原真里「フハハハッハアッハハハ!君ィ、私が誰だかわかるかぁ!?」

 

西園紗矢「いや、知らないです。」

 

河原真里「我らが術式、聖導典第二鍵により君臨した魔道三剣士の末裔だ。悪しき次代の邪王の天下、我の「真なる力」は解放さる。邪王真術の、黒き魔力が高ぶる時こそ、この身は心良きなれ!!!」

 

西園紗矢「お、おう。そうか。」

 

ヤバい奴だ。紗矢もちょっと引いてるぞ。

 

河原真里「青血の炎龍と黒竜江省の張氏より授かりし、闇の秘術「狂仙峯珠義血符」この黒術と死の剣舞に戦慄せよ!!」

 

そして戦いは始まった。トリッキーで素早い弾幕だ。見ているこっちもハラハラするような動き。かなり難しそうだ。乾燥剤も2度被弾して倒した。だが初見の割には上手いプレイだったと思う。戦闘が終わると再び会話が始まった。

 

河原真里「な、なぜだ!?真眼が効かない...?歪みの時空に喚起されたが、クソッ!逃げられたか!!いや黒炎の光龍も共鳴している。まだだ、今に冥府の高塔の番人がnぐあぁ!!!うっ、うおおえええ、ぐっくふ...」

 

西園紗矢「一発だけで勘弁してやる、去れ。」

 

多分腹でも殴った。

 

河原真里「くそっ、覚えてろー!!」

 

そうしてエンディングを迎えた。私が見たのとは違うものだった。スタッフロールにも河原真理が追加されていた。

「このゲームって続編とかあります?」

「うーん、調べてみる。」

困難を乗り越えろ!

困難とは、自らを照らす希望の光だ。たとえどんなに苦しくても、立ち向かう価値はある。全力で立ち向かえば、向こうも全力で答えてくれるのだ。

「嘘つけ!困難は悪魔だ!私は困難のせいでおかしくなっちまった!!困難は敵だ、一生恨み憎むべき輩だ!!」

あのおいぼれじいさんはまだ困難の真実を知らない。あともう少しで死ぬのに、残念だ。スモレンスクである人は言っていた。困難は敵ではない。闇でもない。(中略)みんなの嫌われ者である困難と、君は上手に距離をとって付き合っていかなければならない。彼を救うことは、彼を受け入れることは、君にとって(後略)。

ともかく、君はこの現実を受け入れられるだろうか。否、できない?できちゃう?

「やかましいわ!お前に困難のなにが分かる?!俺はあいつとずっと友達だったんだ。お前は困難のことをなんにも分かっちゃいない。俺が奴との長い付き合いのすべてを話してやる!!」

 

(前略)

(中略)

(後略)

 

困難は素晴らしい奴だったよ。確かに、僕のことが嫌いなのかと疑う瞬間もあった。でも結果的には、彼との出会いや付き合いは無駄ではなかった。僕は彼のおかげで生きている。ありがとう。

「あぁん!?だったら僕がお前を殺してやるよ!困難のおかげで生きてるんだろ?困難陣営のやつなんか死ねよ!!うりゃああああ~~~(高い叫び声)」

困難はいい奴だったよ。僕が今幸せなのは、あの時の願いを叶えられたのは、全て困難のおかげだ。せっかく僕は彼とここまで来たのに。長い道のりを振り返りながら、他愛もない話をして進み続けてきたのに。困難あっての僕だったのに。

 

「君かね。密告者がいたのだ。悪いが困難は(中略)しろって命令でね。」

 

彼は白兎鎮で捕まった。レニングラードに連行するって説明されたが、嘘だった。

「僕が困難と過ごしてきた中で思い出の地がある。漠河県だ。あそこで僕と困難は人生で一番の試練に激突した。困難は、自分を置いて逃げるよう僕に言った。でも僕は、自分だけ生きていることはできないと伝えた。生も死も一緒に。見捨てはしなかった。死んでもいいから助けようとした。僕も彼もまさか助かるだなんて思っていなかったさ。全力を出すことってのは、それほど未知なるものなんだ。僕が死を賭して彼に手を差し伸べた時、彼は全力で答えてくれた。それが一番の答えだったんだ。その時、僕の命は僕だけのものではなかった。彼の命も彼だけのものではなかった。」

 

ケサンに降り立った僕は、あたりの空気を最大限吸った。ここも昔と随分変わったなあ。すると、一人の男が近づいてきた。

「どうも、私はすったもんだギャラクシーから来たPPハゲルマンヌンポだ。ヌンポとでも呼んでくれ。」

ヌンポ、その名はどこかで聞いたことがあった。確か困難とカレーに行き、道端で雑談をしていた時、通行人が会話でその名を口にしたのを耳にした。そう、ヌンポが来たってことは、僕が60年前に東京で「おぴんぴんプロジェクト」に参加していたことがばれたのだ。

「やあ。立ち話もなんだ、石家荘まで来てもうおうか。」

男は銃を突き付け、僕をヘリに乗せた。僕は何の武器も持っていなかったのである。おぴんぴんプロジェクトに参加していた僕は、困難陣営最大の攻勢である、ん号作戦を計画していた。困難の「ん」だ。しかしその時部内に敵のスパイがいたらしく

「作戦の概要は漏れ、攻勢は失敗した。それが大館の陥落を早めた。君は山林を伝って、奥地の集落の小栗山に逃れた。松木平支隊はじきに全滅し、君は役所に駆け込んだはずだ。だがそこにはもうほとんど人は残っておらず、アダルト動画投稿容疑で辞任した市議がいるだけだった。」

真っ白な部屋で、僕と男は対峙していた。思えば石家荘には初めて来た。

「だがそれが問題だった。君からすれば天佑だったろうね。君は知利別、水元と逃れ、遂に姿をくらました。」

そう。僕も困難と同じ運命を辿るはずだった。だが違った!困難陣営の興廃をかけ、僕らは第二のん号作戦を練った。目標は、東京だった。

7年後困難解放軍が東京に入城したのは、皆さん知っての通り。でも、その裏には知られざるエピソードの数々があったのです。正史の裏に隠れた、もう一つの歴史を今宵は皆さんにお教えしましょう。おっほっほっほっほ。

 

(全略)